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東京都市森林 サンプル収集の記録

東京には一体何種類の木が生息しているのだろう? 外来種や園芸種なども入り交じる都市部には、山地や森林よりもはるかに多種多様・雑多な木があるのではないか。ひとつひとつ、コツコツとサンプルを収集し、明らかにして行きたいと思います。

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マテバシイ【馬刀葉椎、全手葉椎】Lithocarpus edulis



・別名:マテバガシ、マテガシ、マタジイ、サツマジイ、アオジイ、トウジイ
・ブナ科マテバシイ属
・分布地:本州の関東以南、紀伊半島、九州、南西諸島の温暖な地域に自生。日本固有種。
・常緑高木(15m程度)
・花期は6月、ドングリは翌年の秋に熟す。タンニン分が少なく、そのまま炒って食べられる。
・材は建築・家具材として利用できる。実(ドングリ)は食用。ドングリを原料とした焼酎も商品化されている。

★サンプル採集地:東京都世田谷区、芦花公園



葉はやや厚手、長さ6-26cm。



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ヤブニッケイ【藪肉桂】Cinnamomum japonicum



・別名:マニラニッケイ、クスタブ、クロダモ、ウスバヤブニッケイ、ナンジャモドキ
・クスノキ科ニッケイ属
・分布地:本州の福島県以南、四国、九州、沖縄、中国
・常緑高木(高くて20m)
・乾燥に強い。海岸付近や低地の森林、山地に生える。シイ林やタブ林の二次林の構成種。
・活用:建築、器具材として木材を利用。種子から香油が採れる。

★サンプル採集地:東京都世田谷区上北沢、公園



葉は光沢があり、3本の脈が目立つ。側方の2本の脈は先端まで達しない。長さ7-10cm、幅2-5cm。



歯を揉むとニッキ(シナモン)の香りがする。


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ビワ【枇杷】Eriobotrya japonica



・バラ科ビワ属
・分布地:中国南西部原産、日本へは古代に渡来
・常緑高木
・花期は11~2月、実の成熟は5月~6月
・果実は果物として食される。

★サンプル採集地:東京都世田谷区上北沢



・葉は厚く、長さ約20cm。
・葉は乾燥させて薬湯に、また、患部に貼る薬としても用いられる。葉に含まれる成分、アミグダリン消化の過程で猛毒の青酸を発生するため、経口摂取の分量等取扱いには注意が必要。



木材としては極めて堅く粘り強い。木肌はきめが細かくなめらか、木目ははっきりせず、象牙のような色味と質感。木剣(木刀)としては最高の材とされている。



お箸の材にも最適。長めのお箸でもしっかりつかむことが出来ます。
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シラカシ【白樫】Quercus myrsinaefolia



・ブナ科コナラ属
・分布地:福島・新潟県以西、四国、九州、朝鮮半島南部、特に関東地方に多い。
・常緑高木、20m程度
・山地に自生するが、里山や人里でよく見られる。公園にも多い。
・材は強度が高く、鉋の台や玄翁や鑿、農機具等の柄として標準的な材として知られている。

★サンプル採集地:東京都世田谷区上北沢



葉はやや堅く鋸歯縁、緑色で光沢があり無毛、長さ7-14cm、幅2.5-4cm。ウラジロガシに似ているが、裏側の色がそれほど白くないので区別できる。結石溶解作用があるとされ、民間薬として用いられる。



2012年、世田谷区経堂の建築現場で伐採された丸太を回収、製材し、現在乾燥させています。





材の一部には、「虎斑」と呼ばれる虎柄の杢(鑑賞価値の高いとされる木目の文様)が表れました。



国産の白樫材は入手困難な希少材ですが、都市部には意外なほど樫の木があり、それらは建物の建て替えや開発など、様々な理由で伐られています。これらの材は、基本的に材木として利用されることはなく、ゴミとして処理されているのが現状です。
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キンモクセイ【金木犀】Osmanthus fragrans var.aurantiacus



・モクセイ科モクセイ属
・分布地:中国南部原産、日本へは江戸時代に渡来
・常緑小高木
・雌雄異株、日本には雄株しかないので、結実しない。
・庭木や公園木として好まれるが、大気汚染には弱く、花付きが悪くなる。
・花は白ワインに漬けてお酒にされたり(桂花陳酒)、お茶に混ぜて桂花茶として利用する。

★サンプル採集地:東京都世田谷区上北沢



9-10月頃に咲くオレンジ色の花は香りが良く美しい。この家では、元々植えられていたキンモクセイを鑑賞できるよう、窓の位置とデザインを決定した。毎年、花の季節には、丁度リビングの正面に満開のキンモクセイとなり、花の姿と良い香りを楽しめる。

現在では、この木に巻き付くよう植えられたジャスミン(花期が長い)が樹幹部まで駆け上がって花を咲かせているので、1年を通じて長い間、花の香りが楽しめる。ジャスミンは当初、フェンスに絡ませるなど試行錯誤して育てていたが、いまひとつ良い状態にすることができなかった。マラケシュを訪れた際に、リヤドの中庭で、高木に駆け上がったジャスミンが木の高い所から垂れ下がり、活き活きと花を付けているのを見て、これを真似してみたところ、ジャスミンはこれまで思いもしなかったほど活き活きと成長した。宿主となったキンモクセイにはなんらマイナスの影響は見られない。リヤドで見たものもそうであったが、ジャスミンは巻き付いた木に悪影響を与えることはほとんどないように思われる。



葉は堅く、長さ8-15cm、幅3-5cm、濃緑色で光沢がある。



キンモクセイの葉や細枝は、切ったばかりの生木でも良く燃える。パチパチと音を立てて激しく燃えてしまうので、防火を意図した植栽には完全に不向きである。
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プロフィール


ユグチヨシユキ
小物から家具・建築まで、日本の木と手仕事で最上質の生活空間をつくりたい。
株式会社 建築と木のものづくり研究室 代表
手作り木工家具「BIKAKU FURNITURE」

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