
・モクセイ科モクセイ属
・分布地:中国南部原産、日本へは江戸時代に渡来
・常緑小高木
・雌雄異株、日本には雄株しかないので、結実しない。
・庭木や公園木として好まれるが、大気汚染には弱く、花付きが悪くなる。
・花は白ワインに漬けてお酒にされたり(桂花陳酒)、お茶に混ぜて桂花茶として利用する。
★サンプル採集地:東京都世田谷区上北沢

9-10月頃に咲くオレンジ色の花は香りが良く美しい。この家では、元々植えられていたキンモクセイを鑑賞できるよう、窓の位置とデザインを決定した。毎年、花の季節には、丁度リビングの正面に満開のキンモクセイとなり、花の姿と良い香りを楽しめる。
現在では、この木に巻き付くよう植えられたジャスミン(花期が長い)が樹幹部まで駆け上がって花を咲かせているので、1年を通じて長い間、花の香りが楽しめる。ジャスミンは当初、フェンスに絡ませるなど試行錯誤して育てていたが、いまひとつ良い状態にすることができなかった。マラケシュを訪れた際に、リヤドの中庭で、高木に駆け上がったジャスミンが木の高い所から垂れ下がり、活き活きと花を付けているのを見て、これを真似してみたところ、ジャスミンはこれまで思いもしなかったほど活き活きと成長した。宿主となったキンモクセイにはなんらマイナスの影響は見られない。リヤドで見たものもそうであったが、ジャスミンは巻き付いた木に悪影響を与えることはほとんどないように思われる。

葉は堅く、長さ8-15cm、幅3-5cm、濃緑色で光沢がある。

キンモクセイの葉や細枝は、切ったばかりの生木でも良く燃える。パチパチと音を立てて激しく燃えてしまうので、防火を意図した植栽には完全に不向きである。